大胆予測、10月に行くべき釣り場、狙い目魚
今日から10月です。この秋は、釣り人にとって我慢の時期でした。台風が続き、シルバーウィークは天気に恵まれず、連休のさなかに全施設が休業する日までありました。気象庁によると、関東甲信の9月17日から23日の降水量は平年の3倍を超えています。横浜の3つの海づり施設(本牧・大黒・磯子)の9月の入場者は、昨年の7〜9割にとどまりました。
「10月こそ釣りに行きたい。できれば大物を。できれば空いている日に」。そう思っている方は多いはずです。そこで今回は、これまでのレポートと違うことをします。過去を調べるのではなく、これからの1か月を予測します。
予測は外れることがあります。だから、根拠と自信の度合い、判定の決まりを書いたうえで、この公開時点で予測を固定します。11月に、同じデータで答え合わせをします。
1人は減った。でも、海は動いている
9月の入場者は、本牧が昨年の0.81倍、大黒が0.72倍、磯子が0.90倍でした。開場した1日あたりで比べても、0.84倍・0.75倍・0.93倍です。雨と風で、出かける気になれなかった人が多かったことが数字に出ています。
一方で、海の中は止まっていません。9月に3施設で記録された50cm以上の魚を、記録1件ごとに日付と大きさで並べました。白い丸が昨年、オレンジの丸が今年です。
昨年の9月は、ほとんどが50cm台でした。60cm以上は2件だけです。今年は15件。昨年はスズキだけだった60cm以上に、今年はサワラ、ブリ、マダイ、ニベが加わりました。大物が出た日数で数えても、本牧は昨年の2日から9日へ、大黒は0日から5日へ増えています。
体長は各施設の聞き取りによる記録です。体長が記録された割合は2年ともほぼ100%で、記録の取り方の違いによる差ではありません。ニベの74cmは、施設が当日の案内で「珍しい大型」と特筆した1匹です。
顔ぶれも昨年とは違います。本牧の9月を、1人あたりの釣果で昨年と比べたのが下の図です。
サッパとタチウオは昨年の4倍以上、クロダイは1.8倍です。反対に、アジとイワシは半分、カワハギ・シロギス・タコは2割以下でした。今年は「昨年と同じ10月」にはなりません。ここが予測の出発点です。
図は1人あたりの比です。今年は入場者が少ないぶん、匹数の比より大きく出ます。匹数で比べると、タチウオは3.6倍(132匹→472匹)、クロダイは1.5倍(418匹→611匹)です。§3の予測は匹数で判定します。
アジには上向きの兆しがあります。本牧の9月下旬のアジは1人あたり1.26匹で、昨年の同じ時期(0.78匹)を上回りました。最後の3日間は3匹を超えましたが、雨の平日で人が少なかった日なので、割り引いて読む必要があります。
季節の進み方にも手がかりがあります。本牧のタチウオがまとまって釣れ始めたのは、昨年は9月下旬、今年は9月中旬でした。9月下旬の水温(各施設の計測)は本牧と大黒で22.9℃。昨年の同じ時期より1〜2℃低く、昨年の10月上旬から中旬の水準です。
季節が10日ほど早く進んでいる可能性があります。ただし、比べられるのは昨年だけです。大雨の直後に一時的に下がっただけかもしれません。
2予測の作り方(正直に)
先に弱点を書きます。当サイトが持っている10月のデータは、2025年の1回分だけです。統計的に「10月はこうなる」と言い切れる量ではありません。そこで、3つの材料を重ねます。
- 昨年10月の型:どの魚が増え、どの魚が消え、月のどのあたりで盛り上がったか。
- 今年9月の勢い:同じ魚が、今年は昨年の何倍釣れているか。
- 20か月分の記録で確かめられること:曜日と混雑の関係。
年によって大きく変わるのは、魚の量と時期です。一方、釣れる場所の傾向はあまり変わりません。たとえば9月の本牧のアジは、沖桟橋の記録が昨年58%、今年57%でした。そこで、予測は「量と時期」に絞り、釣り座と時間帯は昨年10月の記録を目安として添えます。
予測モデルは使っていません。「昨年の10月」と「今年の勢い」を見比べて、判定できる形の文にしただけです。数字はすべて2026年9月30日までのデータで固定しています。
36つの予測と、大穴ひとつ
予測は、10月31日までの各施設の公表釣果を集計すれば、当たり外れが決まる形にしました。判定の決まりは表の下に書きます。
| # | 予測(10月1日〜31日) | 根拠と、外れる筋道 | 自信 |
|---|---|---|---|
| 1 | 3施設とも、平日の1人あたり釣果は土日祝を上回る。 | 過去20か月で、平日が上回った月は本牧19・大黒16・磯子18。3施設そろったのは13か月で、秋(9〜11月)は4か月すべて。昨年10月は本牧1.3倍・大黒2.1倍・磯子1.6倍。 | やや高い 7割 |
| 2 | 本牧のタチウオは、昨年10月の794匹を上回る。 | 今年9月は472匹で、昨年9月(132匹)の3.6倍。ただし昨年は10月下旬に山が来て、11月に急に終わった。今年の多さが「量が多い」のではなく「時期が早いだけ」なら、10月の途中で終わって届かない。 | 五分五分 5割 |
| 3 | 本牧で60cm以上の大物が出る日は、8日以上。 | 昨年10月は7日。今年9月はすでに9日(昨年9月は2日)。 | 中くらい 6割 |
| 4 | 本牧のクロダイは、昨年10月の355匹を上回る。 | 今年9月は611匹(昨年418匹)。ただし9月の上旬262匹から下旬140匹へ減ってきている。昨年は秋のあいだ、10日ごとに110〜160匹で安定していた。 | 中くらい 6割 |
| 5 | 本牧のアジは、10月の1人あたりが1.2匹以上になる。月の後半(16日以降)は前半を上回る。 | 9月全体は0.95匹で昨年の半分。ただし下旬は1.26匹まで戻した。昨年10月は1.81匹で、上旬0.92匹→中旬1.68匹→下旬2.67匹と後半に伸び、11月も高いままだった。 | 前段 6割 後段 5割 |
| 6 | 本牧のカワハギは、昨年10月(749匹)の半分に届かない。 | 今年9月は26匹(昨年175匹)。昨年は9月下旬の94匹から10月上旬に298匹へ一気に増えた。今年の9月下旬は16匹。遅れているだけなら、10月に急に増えて外れる。 | 中くらい 6割 |
| 大穴 | アジの1人あたり釣果で、磯子が本牧を上回る。 | 今年9月は磯子1.26匹、本牧0.95匹で、比べられる28日のうち18日で磯子が上だった。ただし下旬は本牧が逆転している(本牧1.3匹、磯子0.6匹)。昨年10月は本牧1.81匹、磯子0.74匹で本牧の圧勝だった。 | 低い 2割 |
自信の割合は、「同じ自信をつけた予測が10本あったら何本当たるつもりか」の目安です。昨年10月の実績に今年9月の前年比をそのまま掛けると、タチウオ約2,800匹、クロダイ約520匹、カワハギ約110匹、アジは1人あたり約1.0匹になります。目安どおりにはいかないと考え、基準は「昨年を上回るか」などの分かりやすい線に置きました。
・対象は2026年10月1日〜31日。各施設の日次の公表釣果を、11月5日時点の値で集計する。日中の速報は数えない。休業日は除き、休業があっても判定はそのまま行う。
・「1人あたり」は2通りある。予測1は、日ごとに「全魚種の釣果合計÷入場者数」を出し、平日と土日祝(土曜・日曜・10月12日)それぞれで平均して比べる。3施設すべてで平日が上なら的中、2施設なら「一部的中」と書く。
・予測5と大穴は、月の釣果合計÷月の入場者合計で比べる。予測5の後段は、16〜31日の値が1〜15日の値を上回れば的中(前段とは別に判定)。
・予測2・4・6は、月の合計匹数で判定する。人出や休業でも動く数字なので、答え合わせでは1人あたりの値も並べて報告する。
・予測3は、体長の記録(最大値)が60cm以上の魚が1件でもあった日を数える。除く魚は、タチウオ・アナゴ類・ダツ・ウツボ・ウミヘビ類・エイ類・サメ類・ボラ・ホウボウ・コノシロ。
・カレンダーの本命と対抗は予測には数えないが、本命6日・対抗3日・その他の日の1人あたり釣果(本牧・全魚種)を並べて報告する。
「1人あたり」は、釣れた人も釣れなかった人も含めた、入場者全員の平均です。よく釣る人はこれより多く、初めての方はこれより少ないのがふつうです。時期や曜日を比べるための物差しとしてお読みください。
4あなたのスタイル別・10月の狙い方
予測を、釣りのスタイルごとに「どこで・何を・いつ」に落としました。釣り座と時間帯は、昨年10月の公表釣果と日中の速報からの目安です。人が多い場所や時間ほど記録も増えるので、「そこが一番釣れる」という意味ではありません。
🐟 数を釣りたい・家族で楽しみたい
- 何を
- アジ。9月までサビキの主役だったサッパとイワシは、昨年は10月に急に減りました(本牧のサッパは9月の25分の1、イワシは8分の1)。10月の主役はアジと考えておくのが安全です。
- どこで
- 本牧は沖桟橋(昨年10月のアジ記録の7割)。磯子は南桟橋(同9割以上)。
- いつ
- 本牧は朝の6時から10時の速報が6割。月の後半ほど期待できます。上旬はまだ少ない時期で、昨年の10月上旬は本牧で1人あたり0.9匹でした。土日に行くなら、混む前の朝いちばんに。
🎯 大物を釣り上げたい
- 何を
- スズキ、サワラ、タチウオ。今年9月はブリとマダイも1回ずつ出ました。
- どこで
- 本牧の沖桟橋。昨年10月の記録では、スズキとタチウオの8割が沖桟橋でした。今年9月は大黒でもスズキが5日出ています。
- いつ
- タチウオは、昨年10月の速報の半分が16時以降でした(朝にも出ています)。スズキとサワラは記録が少なく、時間帯ははっきりしません。混雑日は投げ方に制限がかかるため、平日が有利です。
- 注意
- 10月下旬は17時ごろに日が沈みます。ヘッドライトとライフジャケットを。タチウオは歯が鋭いので、素手でつかまないでください。
🎣 腕試しがしたい
- 何を
- クロダイとメジナ。クロダイは今年9月、本牧で611匹(昨年の1.5倍)。大きさは35〜47cmが中心で、昨年と変わりません。
- どこで
- クロダイなら大黒が第一候補です。今年9月は1人あたりで本牧の約2倍、記録の7割がケーソン周りでした。本牧は沖桟橋・旧護岸・新護岸に分かれます。メジナは磯子の南桟橋(昨年10月の8割)。
- 注意
- カワハギは今年は期待薄です(予測6)。アオリイカは、今年9月は磯子27匹に対し大黒1匹で、磯子に分があります。
☕ 混雑を避けて、のんびり
- いつ
- 水曜と木曜。これまでの秋(昨年9〜11月と今年9月)で一番空いていた曜日です。本牧の平均は水曜303人・木曜277人で、土曜699人・日曜796人の半分以下でした。
- どこで
- 磯子。昨年10月の平日は平均56人でした。桟橋が小さく、静かに釣りたい方に向きます。
- 土日しか行けない方
- 日曜より土曜。これまでの秋は、3施設とも土曜のほうが空いていました。三連休は避けるのが無難です。
5いつ行くか — まず、曜日
このレポートの数字で、一番はっきり差が出たのは曜日でした。昨年10月の1人あたり釣果を、平日と土日祝で比べます。
人が多い日は、1人あたりの釣果が下がります。釣り座が限られることに加えて、土日祝は家族連れや初めての方が増えることも理由でしょう。「平日に行けば誰でも1.3〜2.1倍釣れる」という意味ではありません。それでも、この傾向は過去20か月のほとんどの月で続いています。
昨年10月で一番混んだのは三連休の日曜で、本牧は1日に1,033人が入りました。今年の9月も、平日は一番混む時間でも定員の2割ほどでしたが、台風明けの22日は3施設とも定員いっぱいになりました。
10月のカレンダーに、おすすめを書き込みます。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1○ 対抗 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7○ 対抗 | 8○ 対抗 | 9 | 10三連休 混雑 |
| 11三連休 混雑 | 12三連休 混雑 | 13 | 14◎ 本命 | 15◎ 本命 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21◎ 本命 | 22◎ 本命 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28◎ 本命 | 29◎ 本命 | 30 | 31 |
本命は、中旬と下旬の水曜・木曜(14日・15日・21日・22日・28日・29日)です。空いている曜日であることが第一の理由です。
中旬と下旬のどちらが良いかは、正直に言って読み切れません。タチウオと大物は、季節が早いままなら中旬に、昨年の暦どおりなら下旬に山が来ます。アジは昨年、11月まで伸び続けたので、後半ほど有利です。どちらに転んでも外さないよう、両方を本命にしました。どちらが良かったかは、答え合わせで報告します。
昨年の秋(9月中旬から11月中旬)の本牧を、平日だけで天気別に見ると、アジの1人あたりは雨の日3.3匹(9日)、晴れの日2.2匹(12日)、曇りの日1.8匹(19日)でした。晴れていても、平日なら2匹を超えています。「天気の良い日に気持ちよく釣りたい」という方にも、秋は悪くない季節です。雨の日が高いのは、人が少ないことも理由です。日数が少ないので、傾向として読んでください。雨の当日にアジが増える傾向は、以前のレポートでも確かめています。
ただし、雨の日の釣行をすすめるわけではありません。風や雷、うねりを伴う日、台風の接近中と通過直後は、釣りをやめる日です。施設も閉鎖や一部閉鎖になります。
気象庁の1か月予報(関東甲信地方、9月24日発表)では、10月25日までの気温は「高い」確率が50%、降水量と日照時間は「ほぼ平年並み」の見込みです。週ごとに見ると、3日から9日は高気圧に覆われやすく、曇りや雨の日が少ない、10日以降は数日の周期で天気が変わる、とされています。
長かった雨の時期は、ひとまず抜けそうです。一方、気温が高いと水温の下がり方はゆるやかになります。「季節が早い」という読みが外れて、魚の動きが昨年の暦に近づくこともありえます。1か月予報は週ごとの傾向を示すもので、特定の日の天気は分かりません。毎週木曜に更新されるので、気象庁の最新の1か月予報と週間予報をご確認ください。
潮回りは、おすすめの根拠にしていません。1日の合計の数字では、潮が動く時間や朝夕の時合の良し悪しは測れないためです。風向きや濁りも同じです。現場での読みは、経験のある方のほうが確かです。
6外れるとしたら
予測が外れる筋道も、先に書いておきます。
- 台風と荒天:10月も台風は来ます。休業日が増えれば、合計の匹数で判定する予測2・4は届きにくくなり、予測6は逆に当たりやすくなります。答え合わせでは、1人あたりの数字も並べます。
- 季節の進み方:タチウオの盛りが前倒しで終われば、予測2は外れます。カワハギが遅れているだけなら、予測6が外れます。
- 昨年が特別だった可能性:10月のデータは1年分です。昨年のアジの「後半に伸びる」型が、毎年の型とは限りません。
- うれしい誤算:今年の9月、本牧には昨年の9月に記録のなかったソウダガツオが202匹入り、93cmのブリも上がりました。群れで回ってくる魚は、前触れなく現れます。予測に書いていない魚が10月の主役になる可能性は、いつでもあります。
外れたら、外れたと書きます。何が外れ、なぜ外れたかは、来年の10月を読むための材料になります。
釣行の判断は、各施設の最新の案内(営業時間・休場・入場制限・釣り方のルール)と天気予報、安全を最優先にしてください。大黒には事前予約の枠と当日枠があります。お子さま連れの方は、ライフジャケットの着用と、毒やとげのある魚(アイゴ、ゴンズイなど)に触れないことにもご注意ください。
▶出かける前に、今の様子を確かめる
予測は地図です。当日の足元は、毎日更新しているデータでご確認ください。
データ:横浜市の海づり施設(本牧・大黒・磯子)が公表する日次の釣果と入場者数、日中の速報を当サイトが毎日収集したもの(2025年1月31日〜2026年9月30日)。入場者数は各施設の公表値です。
比較:「今年9月」は2026年9月1日〜30日、「昨年9月」「昨年10月」は2025年の同じ月。平日と土日祝の比較は、日ごとの「釣果合計÷入場者数」の平均(合計どうしで割っても、ほぼ同じ結果になることを確かめています)。魚種ごとの1人あたりは、期間の釣果合計÷入場者合計。
平日の優位:2025年2月〜2026年9月の20か月について、月ごとに同じ比を計算した。
大物:体長の記録が60cm以上の日を数えた(図は50cm以上の記録を1件ずつ表示)。除いた魚は「判定の決まり」のとおり。図ではアイゴも除いた。
釣り座・時間帯:公表釣果の釣り座欄と日中速報からの推定で、目安。
天気の見通し:気象庁「1か月予報 解説資料(関東甲信地方)」2026年9月24日発表の内容を要約。降水量の平年比も同資料による。
限界:10月のデータは2025年の1年分。予測は統計モデルではなく、昨年の型と今年9月の前年比を見比べた判断。釣果は聞き取りによる記録で、混雑した日ほど聞き取りが行き届かない可能性がある。
固定の記録:公開時の内容は、𝕏(@sakana_datahook)の投稿で日時を残します。予測と判定の決まりは、公開後に書き換えません。
※釣果の記録は各施設の聞き取り調査によるもので、すべての釣果を網羅するものではありません。